JLPTとJFT-Basicの違いとは?外国人雇用で知っておきたい2つの日本語試験を解説

外国人材の採用や受け入れを進める企業にとって、日本語能力の確認は重要なポイントです。特に「JLPT」と「JFT-Basic」は、日本語能力を測る代表的な試験として知られています。

しかし、実務の現場では「JLPTとJFT-Basicの違いがよく分からない」「どちらを基準にすればよいのか判断が難しい」といった声も少なくありません。

近年は外国人政策の見直しや、特定技能制度の拡大などにより、日本語能力を証明する試験の重要性がさらに高まっています。企業が外国人材を受け入れる場面でも、日本語試験の理解は欠かせない知識となっています。

本記事では、JLPTとJFT-Basicの違い、それぞれの特徴、外国人雇用における活用ポイントについて分かりやすく解説します。

JLPTとはどのような日本語試験か

JLPT(Japanese-Language Proficiency Test)は、日本語能力試験として世界的に広く知られている試験です。日本語を母語としない外国人を対象に、日本語の理解力を測る目的で実施されています。

試験は以下の5段階のレベルに分かれています。

・N1
・N2
・N3
・N4
・N5

N1が最も難しく、N5が初級レベルとなります。特にN1やN2は、日本企業で働くための日本語能力の目安として利用されることが多いレベルです。

JLPTは主に以下の3つの能力を測定します。

・言語知識(文字・語彙・文法)
・読解
・聴解

特徴としては、日本語の総合的な理解力を測る試験であり、世界中で実施されていることが挙げられます。現在では90以上の国と地域で開催され、多くの外国人が受験しています。

一般的な就労ビザ(技人国)ではN2以上、特定技能ではN4以上が目安となります。
注意点として、 試験は年2回(7月・12月)のみで、結果が出るまで約2ヶ月かかります。

JFT-Basicとはどのような試験か

JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)は、日本で生活し働くための日本語能力を測る試験です。

この試験は、主に「特定技能」の在留資格に関係する日本語試験として導入されました。外国人が日本で働く際に必要な、基本的なコミュニケーション能力を確認することを目的としています。

試験では、次のような場面で使う日本語能力が評価されます。

・日常生活の会話
・職場での基本的な指示理解
・簡単な読み書き

JLPTのようなレベル区分(N1〜N5)ではなく、JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)は、国際標準のCEFR A2レベル(日常生活に支障がない程度)を基準としています。

また、JFT-Basicは試験回数が多く、試験終了後すぐに結果がわかるため、急ぎの採用計画に適しています。ンピューターで回答するCBT方式の試験形式で行われるため、受験機会が多い点も受験者にとって大きなメリットとなっています。

特定技能制度では、このJFT-Basicに合格することで、日本語要件を満たすケースがあります。

JLPTとJFT-Basicの主な違い

JLPTとJFT-Basicはどちらも日本語能力を測る試験ですが、目的や試験内容には違いがあります。

主な違いを整理すると次のようになります。

項目JLPTJFT-Basic
主な目的アカデミック・総合的な評価日本での生活・就労の基礎
レベル区分N1〜N5の5段階単一レベル(CEFR A2相当)
試験方式マークシート(紙)CBT(パソコン)
試験回数年2回比較的頻繁
結果発表約2ヶ月後即時(判定書は数日後)

簡単に言えば、JLPTは「日本語の学習能力を測る試験」、JFT-Basicは「日本で働くための基礎的な日本語能力を確認する試験」と考えると理解しやすいでしょう。

企業が外国人材を採用する場合、求める業務内容によってどちらの試験結果を参考にするかが変わることがあります。

外国人雇用で日本語試験が重要になる理由

近年、日本政府は外国人材の受け入れ拡大を進めており、特定技能制度などを中心に多くの外国人が日本で働くようになっています。

その中で、日本語能力の確認は重要な課題となっています。日本語が十分に理解できない場合、次のような問題が起きる可能性があります。

・業務指示が正しく伝わらない
・安全管理に支障が出る
・職場コミュニケーションが難しくなる

こうした背景から、日本語能力を客観的に測る試験の役割が大きくなっています。

また、近年の外国人政策では、日本語教育や日本語能力の評価を重視する方針も示されています。外国人材が日本社会に定着するためには、日本語でのコミュニケーション能力が不可欠と考えられているためです。

企業としても、日本語試験の結果を参考にしながら、業務内容に合った人材を採用することが求められるようになっています。

企業が日本語試験を確認する際のポイント

外国人材の採用において、日本語試験の結果は重要な参考情報になります。ただし、試験結果だけで判断するのではなく、実際のコミュニケーション能力も確認することが大切です。

例えば、JLPTで高いレベルを取得していても、会話力が十分でないケースもあります。逆に、JFT-Basicの合格者でも、実務上のコミュニケーションが問題なくできる人材もいます。

試験に合格していても、「話す」「書く」能力には個人差があります。

JFT-Basic合格者: 生活会話には慣れていますが、複雑なビジネス文書の読解はこれからの場合があります。

JLPT合格者: 読解力や文法知識は高いですが、会話が苦手な場合があります。

また、面接時に簡単な会話や業務説明を行い、理解度を確認することも有効です。日本語試験の結果と実際の会話力の両方を見ながら判断することで、採用後のミスマッチを防ぐことができます。

まとめ

JLPTとJFT-Basicはどちらも日本語能力を測る試験ですが、目的や役割には違いがあります。

JLPTは日本語の総合的な理解力を測る試験であり、留学や就職など幅広い場面で活用されています。一方、JFT-Basicは日本で生活し働くための基礎的な日本語能力を確認する試験で、特定技能制度と深く関係しています。

外国人材の受け入れが拡大する中で、日本語能力を客観的に確認する仕組みの重要性は今後さらに高まると考えられます。

企業としては、JLPTやJFT-Basicの違いを理解したうえで、日本語試験の結果と実際のコミュニケーション能力を総合的に確認しながら採用判断を行うことが大切です。

適切な日本語能力の確認は、外国人材が職場で活躍し、長く働き続けるための重要なポイントとなります。

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渡邉 圭史
人材ビジネス会社の一員として外国人雇用の推進に取り組んでいます。特定技能や技能実習制度、外国人労働者の受け入れについて、実務や日々の学びを通じて経験を積んでいます。このブログでは、外国人雇用に関する知識や最新情報、実際の現場で感じたことを分かりやすくお届けします。ぜひ気軽に読んでいただければと思います!